江戸から明治へと日本の歴史が大きく動いた1868 年に来日、布教活動を通して自らを惜しみなく日本に捧げたカトリック神父、ド・ロ(1840 〜 1914 年)が遺した布教版画の数々。
日本の風俗に即して制作された布教木版画から、ヨーロッパ〜中国〜日本の多文化的融合を読み解きます。
第1章 ド・ロ版画の前奏曲:石版印刷から彩色木版画へ/郭 南燕
第2章 ド・ロ版画のルーツ:コンスタンツから上海〜長崎へ/郭 南燕
第3章 ヴァスール原画とド・ロ版画との比較/鄭 巨欣
第4章 ド・ロ版画にみる日本イメージの受容と展開/白石 恵理
第5章 ド・ロ版画と関連資料の収蔵状況/内島 美奈子
第6章 近代日本語文学の先駆者:プティジャン司教とド・ロ神父/郭 南燕
コラム 高祖 敏明「プティジャン司教がキリシタン言語に最後までこだわった理由」
野下 千年「五島列島のド・ロ版画と堂崎天主堂」
カラー口絵18 頁+ド・ロ版画/版木所蔵一覧